背が伸びる子の特徴は?知らぬ間に身長が伸びない生活にはまっていませんか?
両親があまり高身長でない場合、お子さんの成長に不安を感じることもあるでしょう。
しかし、小学生高学年になると、少し見ないうちに驚くほど身長が伸びる子もいます。
一気に身長が伸びる子は何か特別なことをしているのでしょうか。
成長期が始まって身長が伸びるサインや、身長の伸びを止めやすい要因があるかも気になりますよね。
成長期に背が伸びる子3つの特徴
実は、成長期に背がグングン伸びる子には以下のような3つの特徴があります。
- 遺伝
- 成長ホルモンがしっかり分泌されている
- 骨端線(こったんせん)が開いている
まずは、その特徴について確認してみましょう。
遺伝
背が高い子を見ると「両親も同じように背が高いの?」と思うことはないでしょうか。
昔から、両親の背が高いと子どもの身長も大きくなるとよく耳にしますよね。
このように言われてきた背景には、一般的に「子どもの身長は遺伝する」と考えられているからです。
しかし、統計には個人差があり、食生活や睡眠といった生活習慣によって大きく左右されます。
成長ホルモンがしっかり分泌されている
背が伸びる際、体の中では脳の下垂体から成長ホルモンが分泌され、骨が伸びるよう指示が行われます。
ですので、成長ホルモンがしっかり分泌されないと背は伸びません。
成長ホルモンの分泌を促すには、栄養バランスの摂れた食事が必要不可欠です。
また、成長ホルモンは食事だけが関係しているわけではありません。
日頃から適度な運動やしっかり睡眠を取れているかなども関係します。
食事、運動、睡眠は親が成長期の子どものためにコントロールできる要素です。
骨端線が開いている
骨端線(こったんせん)とは、成長期の子ども特有の軟骨組織です。
骨端線と呼ばれる軟骨部分が固い骨に成長することで身長は伸びていきます。
子どもの成長期には、この骨端線があります(開いています)。
骨端線は子どものみにあり、思春期が終わる頃にはなくなる(閉じる)のが通常です。
したがって、骨端線が開いていればまだ背が伸びる可能性があります。
ですから、男の子のほうが背の伸びる期間が長くなる傾向があります。
どちらにしても、長くない成長期の過ごし方が子どもの身長の伸びを大きく左右します。
成長期でも背が伸びない子3つの特徴
成長期に入っても背が伸びない子には以下のような特徴があります。
- 栄養素が偏っている
- 睡眠時間が短い
- 家庭でけんかが絶えない
それぞれの特徴について確認してみましょう。
栄養素が偏っている
子どもの身長を伸ばすためには、食事が大切です。
しかし、ネットからの情報過多でアルギニンやカルシウムなどをサプリメントで摂り入れておけば十分と考えている親も少なくありません。
カルシウムさえ摂っておけば、アルギニンさえ摂っておけばではなく、いろいろな栄養素をバランス良く取り入れることが身長アップにつながります。
睡眠時間が短い
成長ホルモンは夜寝ている間に分泌されます。
日本学校保健会の平成10年度児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告書では、高校生の平均睡眠時間は7時間を切っています。
成長期であるにもかかわらず、大人と同程度の睡眠時間であることがわかります。
最近の子どもは大人に合わせて、ますます夜型になっていることが日本小児保健協会の平成12年度幼児健康度調査報告で指摘されています。
就寝時刻は午後9時が最も多く全体の41%であり、次いで10時が36%と多かった。
昭和55年値、平成2年値との比較では、全般に10時および11時就寝が年齢を追って増加しており、その分8時就寝が減少していた。
中略
子どもの生活リズムが年々夜型になっていることが注目される。
これは、大人の生活リズムに同調してのことであろうし、子どもの心身への影響が懸念され、保健指導の際の留意点になる。
子どもが成長期にある間は、親も夜型の生活習慣を見直して、子どもが十分な睡眠時間を確保できるように努力できるでしょう。
家庭でけんかが絶えない
子どもにストレスがかかると、情緒不安定になり脳下垂体から成長ホルモンが分泌されにくくなります。
人体は、ストレスを受けると自律神経のうちの交感神経が働き、体が常に緊張状態にさらされます。
そして、コルチゾールというホルモンを多く分泌します。
コルチゾールは体の代謝のために欠かせないホルモンのひとつです。
しかし、コルチゾールが増えすぎると、身長を伸ばす成長ホルモンの分泌を抑制してしまいます。
病院での治療が必要な成長障害の原因として、虐待などのストレスにより引き起こされる愛情遮断症候群と言われる症状があります。
それほど、子どもの成長はストレスによって左右されます。
虐待のような極端なストレスでなくても、夫婦げんかや嫁姑の仲たがいには注意しましょう。
背が伸びるタイミングのサインはあるのか?
成長期は人生で2回あると言われています。
まず、一番身長が伸びるのは第一次成長期で新生児期から幼児期です。
生後1年間で20〜30センチほど成長し、4歳頃には産まれたときの2倍近くまで伸びます。
そして、次の第二次成長期が小学校高学年から中学生の頃にやってきます。
また、男子はヒゲが生えたり女子は胸が膨らんだりと身体にも変化が起こるのが特徴です。
急激な身長の伸びにより成長痛が起こることも珍しくありません。
成長痛サインを見逃さない
子どもの身長が伸びる成長期には、体に痛みを訴える子がいます。
これは、いわゆる「成長痛」で主に足に痛みを感じる子が多いのが特徴です。
特別な治療法はなく成長するにつれて自然と痛みを訴えることもなくなります。
また、全ての子どもが成長痛を感じるわけではありません。
成長痛を訴えているときは、身長が伸びていることが多いのです。
背が伸びる前に体重が増えるって本当?
子供の背を伸ばすためには体重が増えることも必要です。
このため身長の伸びだけでなく、体重の増加からも成長スパートを把握可能です。
成長スパートの時期を知っておくためにも、小学4年生から中学3年生まではこまめに体重を測定しましょう。
女の子の場合は思春期になると体重の増加を特に気にし始めます。
身長の伸びが止まるサインは?
一般的に、男の子のヒゲや女の子の胸の膨らみといった思春期の身体の変化が起こってから2〜3年後に身長の伸びは止まることが多いようです。
しかし、思春期は個人差があり一概に「身体の変化が起こってからX年後に止まる」とは言い切れません。
しかし、多くの場合18歳頃に身長の大きな伸びは止まるようです。
身長を伸ばしたいと思っていても、成長が止まる日は来ます。
身長の伸びがストップしたと判断できるサインは3つあると言われています。
- 爪半月がない
- 骨端線がない
- ひげ、体毛が濃くなる
子どもの身長を伸ばす方法
親が子どもの身長を伸ばしたいと思ったとき、何ができるのでしょうか。
ここからは、身長が伸びる時期に、親が子どものためにサポートできることをご紹介します。
栄養バランスの摂れた食事
子どもの身長を伸ばすために、栄養バランスの摂れた食事をさせるのは大切です。
ただ、背を伸ばすために昔から「牛乳をたくさん飲ませる」という話しを聞きますがそれだけではいけません。
もちろん、カルシウムは丈夫な骨を作るためには必要不可欠です。
しかし、カルシウム単体だけではなく、他の栄養素と組み合わせることで身長が伸びやすい健康体になります。
さまざまな栄養をバランスよく摂取できるよう、バラエティー豊富な食事を準備しましょう。
そして、成長ホルモンの分泌や丈夫な筋肉を作るために必要とされる「アルギニン」は大豆製品から多く摂取できます。
他にも、亜鉛や鉄分なども重要でこれらは魚介類に多く含まれます。
バランスの摂れた食事が難しい場合、サプリなどで栄養を補給することも考えてみるのもおすすめです。
適度な運動
子どもの身長を伸ばすためには適度な運動をさせることも大切です。
特別なトレーニングなどは必要なく、休み時間や放課後の遊び時間に友達と追いかけっこするだけでも十分です。
反対に、この成長期に無理な運動をすると関節などに負担がかかるので注意しましょう。
身長を伸ばすために意識したい運動は、走ったりジャンプしたりする縦の運動がおすすめです。
十分な睡眠
寝る子は育つと言われますが、これはあながち間違いではありません。
成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されることがわかっています。
より成長ホルモンを分泌させるためには質の良い睡眠を心がけることも大切です。
睡眠の質が落ちるだけでなく、生活リズムも乱れることになるので注意が必要です。
また、両親の愛情も睡眠に関係してきます。
夫婦仲が良くないと、子どもの精神状態は不安定になり成長ホルモンの分泌が下がったり睡眠不足になります。
まとめ
子どもの身長を伸ばしたいのに、「遺伝だからどうにもならない…。」と諦めてしまうのはもったいないです。
親が子どもにしてあげられることはたくさんあります。
そして、規則正しい生活を送れるようにサポートしてあげてください。