筋トレで背は伸びる?止まる?小中高校生別おすすめトレーニング
子どもが筋トレをすると背が伸びない?
背を伸ばすのに効果的な筋トレは?
お子さんがスポーツをされているなら、筋トレをどこまでさせたらいいのか心配になるかもしれません。実は、筋トレによって身長が伸びなくなるという説に、医学的な根拠はありません。
では、なぜ子供の筋トレは成長に良くないと言われるのでしょうか。それは、育ち盛りの子供の筋トレには気を付けるべきポイントもあるからです。
筋トレをすると身長が伸びないと言われる3つの理由を取り上げます。
さらに、筋トレをする際の年代別注意ポイントと、お勧めの筋トレ方法をご紹介します。
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小学生・中学生で筋トレすると身長は伸びない?
そもそも、身長が伸びるとは、どのような仕組みなのでしょうか。成長期の子供には、大人になるとなくなってしまう骨端線という軟骨組織があります。
骨端線は成長ホルモンによって増殖します。増殖した部分が固くなり、骨が伸びる、つまり身長が伸びるのです。その骨端線の増殖に関わってくるのが、実は筋肉です。
筋トレと成長ホルモンの関係
筋トレをすると、使われた筋肉が傷つきます。そして、傷ついた筋肉を修復する際に成長ホルモンが体内で多く分泌されるのです。
成長ホルモンこそが身長を伸ばす物質なので、筋トレは身長を伸ばすのに最適だと言えるでしょう。また、「寝る子は育つ」と言う通り、成長ホルモンは寝ている間に多く分泌されます。
筋トレで適度に疲労することで良質な睡眠を得られ、身体は修復され・成長していきます。
筋トレによって分泌されるホルモンの種類について、以下の記事で詳しく説明しています。
筋トレをすると背が伸びないと言われる3つの理由
子供が筋トレをすると背が伸びなくなると言われるのには、以下の3つの懸念点があげられます。
- 成長期に筋トレをすると骨端線がつぶれる?
- 成長するために必要なエネルギーが不足する?
- 低年齢層の靭帯・関節は壊れやすい?
誤解されている点が多いとはいえ、留意するべき点が背景にあるので理由を知ることは助けになるでしょう。それぞれの点について説明します。
成長期に筋トレをすると骨端線がつぶれる?
骨端線が負荷の高い筋トレによってつぶれてしまい、身長の伸びが止まってしまうと言う説を聞いて心配する方も多いようです。骨端線は、骨の中央部と端の間にある軟骨で、骨端線が増殖することで身長が伸びます。
確かに、体ができあがった大人が行うようなハードな筋トレで強い衝撃が繰り返されると、子どもの柔らかい骨端線がつぶれてしまう可能性も否定できません。
しかし、骨端線に適度な刺激を与えることで成長ホルモンをより多く分泌させるメリットを無視すべきではありません。成長ホルモンの指令を受けて、肝臓がソマトメジンという物質を分泌し骨端線が増殖するからです。
つまり、運動と身長の伸びは、切っても切れない関係にあります。ですから、筋トレは身長を伸ばすのに最適な方法の一つでしょう。
年代に合った筋トレを
大切なのは、子どもの年代に合った筋トレを、正しい動作で行わせることです。小学生・中学生・高校生、それぞれの年代に合った筋トレのポイントについては「年代別筋トレ注意ポイント」で詳しく説明します。
筋トレすると成長するために必要なエネルギーが不足する?
実は、筋トレのためにあまりに多くのエネルギーを費やして、成長に必要なエネルギーが不足してしまうことはありえます。成長期の子供の体は、骨や筋肉を成長させるために多くのエネルギーを必要とするからです。
ですから、適度な筋トレを行いながら、エネルギー不足にならないように注意することがカギになります。
筋トレ前後の栄養補充状態を確認
栄養バランスの良くない状態や空腹の状態で筋トレを行わないように、親が気を配る必要があるでしょう。筋トレによって傷ついた筋肉を修復するには、カルシウム・たんぱく質(アミノ酸)などの栄養が不可欠です。
筋トレを行ったあとは、失ったエネルギーとたんぱく質を消化しやすい形でできるだけ早めに補充しましょう。おにぎりを持たせたり、携帯しやすいアミノ酸系サプリメントを活用するといいでしょう。
たくさんある国内の成長サプリを完全網羅した比較一覧はこちらをご覧ください。
負荷の少ない筋トレであっても、毎日行うのではなく、体を休ませる日を意識的に作りましょう。体を休ませることで、背を伸ばすためのエネルギーが不足するのを防げます。
低年齢層の靭帯・関節は壊れやすい?
身体がまだできあがっていない成長期で過度な筋トレを行うと、関節や靭帯に負担がかかりすぎてしまう恐れがあります。
骨や関節の配列のことをアライメントと言い、発育中の子供のアライメントはまだ整っていない状態です。
そのため、猫背などの悪い姿勢は、子どものうちであればより簡単に改善することができます。
逆に、まだアライメントが整っていない状態で過度な筋トレを行うと、関節や靭帯に負担がかかりすぎてしまいます。
アライメントが崩れている状態が続くと、慢性的な障害につながってしまうかもしれません。
それで、筋トレの種類や開始年齢には十分気を付け、それぞれの年代に合った筋トレを選ぶ必要があります。
身長や体重の成長が落ち着いてくる高校生以降であれば、ダンベルやマシンを使うような筋トレを行えるようになるでしょう。
小学生・中学生・高校生、それぞれの年代に合った筋トレのポイントについては「年代別筋トレ注意ポイント」で詳しく説明します。
年代別筋トレ注意ポイント
子どもに筋トレをさせる際は、周りの大人が以下の6点に気を配りながら行う必要があります。
- ウォーミングアップとクーリングダウンを必ず実施する
- フォームが大きく崩れてしまうような負荷、回数では実施しない
- 使っている部位を意識しながら実施する
- 運動に適した服装を選ぶ(動きやすいウェア、靴)
- 適度に休息・水分補給をする
- 体調が悪い場合や、痛みがある場合は無理をせず行わない
上記の点に留意した上で、年代別にどのような筋トレを行えるかを以下の年代別に紹介します。
では、年代別に詳しく見ていきましょう。
就学前の幼児期:様々な動作を習得できるトレーニング
幼児期は、さまざまな動作を身体に覚えさせるのに最適な時期と言えます。赤ちゃんが泣いたり、ハイハイしたりするのも、実は筋力を鍛える動作です。
滑り台やジャングルジムは、手や足で体を支え、バランスを取りながら手足を思い通りに動かすことを学べるでしょう。ケンケンパや鬼ごっこ、縄跳びなどの色々な遊びを通して、体を自由に動かす「巧緻性(こうちせい)」を身につけることができます。
このように、とにかくたくさん身体を動かして遊ぶことが、幼児期の最適な筋トレになります。
小学生:動作習得の一つとして軽い筋トレを開始
小学生低学年の頃は、運動にかかわる神経系を発達させるのに大事な時期です。筋トレの効果はまだ低いですが、動作習得の一つとして、筋トレを行うことはできます。
骨や関節への影響があるので、座った状態や寝た姿勢で行える簡単なものにしましょう。小学生でも高学年になれば、腹筋などの動きのあるトレーニングも取り入れられます。
適度なジャンプやランニングは成長ホルモンの分泌を促しますが、負荷をかけてランニングをするようなスパルタ的な筋トレは避けましょう。
中学生:自重トレーニングを開始
中学生は、身長や体重が急成長し、運動能力も上がる時期です。筋トレを行うことで、自分の身体を支える力が身につき、怪我を防止することができます。
軽めのダンベルを使った筋トレをすることができますが、高重量のウエイトトレーニングは避けてください。腕立て伏せやプランクなど自分の重さを利用した自重トレーニングを中心に行いましょう。
体の変化が大きい時期なので、無理のないトレーニング内容になっているか、こまめにチェックし、組み立て直す必要があります。
高校生:本格的な筋トレを開始
高校生になると、身長や体重の急成長が落ち着いて、筋肉が著しく発達していきます。この頃から、マシンやバーベルなどの器具を使う本格的な筋トレを開始できるでしょう。
少しずつ筋力がアップしていき、運動のパフォーマンスも向上できます。まだまだ成長ホルモンが分泌される時期ですので、休息と栄養補充には気を配りましょう。
筋トレを行う際には、常に正しい姿勢で行い、負荷を高めていくようにしてください。
中学生・高校生へのおすすめ自重筋トレ
ここでは、中学生・高校生に適した自重筋トレについて紹介していきます。成長ホルモンの分泌を促す適度な筋トレなのか、負荷がかかりすぎてしまう筋トレなのか、判断が難しいかもしれません。
そこでお勧めなのが以下6種類の自重筋トレです。
どの筋トレも、ゆっくり行うことを意識してください。回数は初めは少しずつ、慣れたらセット数を増やしていくようにしましょう。
毎日全部行うと体に負担になりますし、トレーニング後に休息しているときこそ身体は成長します。日に1個か2個行い、次の日は別の箇所を筋トレするというように、ローテーションで行うようにしてください。
スクワット
スクワットは、膝を中心とした下半身を鍛えるトレーニングです。脚を肩幅よりやや広めに開き、ゆっくりしゃがみます。
この時、腰を丸めないように気を付けて、お尻を突き出すようなイメージで行いましょう。お尻を膝の高さまで落としたら、膝が伸びきらないように注意しながらゆっくり立ち上がります。
再びしゃがみ、また立ち上がる、これを15回から30回を1セットとして行ってください。
腕立て伏せ
腕立て伏せは、腕・肩・腹・太ももの筋肉を刺激するのに良いトレーニングです。まず、うつぶせになり、肩幅よりやや広い位置に両手を置きます。
それから、肘をしっかり曲げて、体を下に落としていきます。腕を伸ばすときに息を吐き、再び肘をしっかり曲げて体を落とすようにしましょう。
この動作を繰り返し、10回から20回を1セットとします。
プランク
腹筋と背筋は両方鍛えないと、姿勢が悪くなったり、どこかを痛める原因になってしまいます。どちらか一方を個別に鍛えるトレーニングもありますが、両方同時に鍛えられるのが、プランクという体幹トレーニングです。
うつぶせの状態から、肘をついて体を起こし、その状態をキープします。この時、腰やお尻を上げ過ぎたり、下げ過ぎたりしないように注意しましょう。
簡単そうに見えますが、正しい姿勢で行うと、30秒でもかなりきつく感じるかもしれません。無理のないように、最初は出来る範囲で行い、慣れてきたら60秒を1セットとして行ってください。
サイドプランク
サイドプランクは、お腹周りを整え、体幹や足の筋力を刺激することができます。
まず、横向きに寝そべり、頭から足までを一直線にして、床側の肘を立てるようにして上半身を持ち上げましょう。
腰をできるだけ高くキープし、限界まで上げたら、元の姿勢に戻ってください。反対側も同じように、各10回行います。
腹筋
腹筋は、誰もが一度はやったことのある最も身近な筋トレと言えるでしょう。でも、間違った方法で行うと、せっかくやっても、効果がほとんどないかもしれません。
正しい方法は、まず、仰向けになり、膝を立てます。そして、おへそを覗き込むようにゆっくり息を吐きながら上半身を持ち上げます。
この時、腹筋を縦に縮ませるように力をこめて行うと良いでしょう。勢いや反動で行わないこと、体を全部起こさなくても良い、という点も留意すると、正しいフォームで行いやすくなります。
「シックスパックを作る」、「腹筋を縦に割る」などと追い込む必要はありません。筋肉を刺激する意識で行いましょう。
ヒップリフト
ヒップリフトは、お尻や腰や体幹をいっぺんに刺激できるトレーニングです。仰向けに寝て両膝を曲げ、両肘で床を押すようにして、頭から膝まで一直線になるようにお尻を持ち上げます。
頭から膝までが、まっすぐになる位置まで上げたら、ゆっくり元の位置に戻します。これを10回から20回を1セットとして行ってください。
まとめ
筋トレは背が伸びなくなるというのは間違いで、正しく行うなら子供の成長を助けます。大人と同じような筋トレではなく、年齢に合わせて、無理のない方法で行いましょう。
大切なのは、日頃からの睡眠、運動、栄養をそれぞれしっかりとることです。筋トレをどんなに頑張っても、睡眠や栄養が足りていないと、成長や健康に悪影響が出てしまいます。
そうは言っても、毎日忙しいと、子供の成長に必要な栄養を食事だけでとるのは難しいかもしれません。そんな時は、栄養面を補助してくれるサプリメントを活用するのも、良い方法です。
今は、手軽に続けられるように開発された、こだわりのサプリメントがたくさんあり、多くの親御さんが活用しています。お子さんの大事な成長期を悔いなく過ごせるように、バランスの良い生活を心がけながら、年齢に合った正しい筋トレを行うようにしましょう。