子ども向けサプリ成分人気23種完全解説:成長ホルモンの分泌促進は?
子どもが健康に過ごすためには栄養バランスを重視しなくてはなりません。しかし、いくら栄養バランスに気を付けていても不足しがちな栄養素もあります。
子どものための成長サプリを開発する中で、多くのお母さんやお父さんとヒアリングを行います。気づかされるのは、皆様の栄養素に関する知識の量と正確さの大きなばらつき。我が社の開発部員も真っ青の知識量の方もいれば、とにかく何でもたくさん摂っていれば大丈夫という方も。
国内で入手できる成長サプリをわかりやすく比較した記事は以下です。
骨や筋肉を造るのを助ける8つの栄養素
子どもの成長にとって、骨や筋肉の成長は欠かせません。以下が骨や筋肉を作るのを助けてくれる栄養素となります。
- 【カルシウム】骨の材料
- 【マグネシウム】骨だけでなく体温・血圧の調整
- 【たんぱく質 】骨・筋肉の発達促進
- 【ビタミンD】骨の成長
- 【ビタミンK】血液凝固機能がある
- 【鉄】運動機能と学習機能の向上
- 【HMB】筋肉の合成促進作用・分解抑制作用
- 【ボーンペップ】骨密度の増大
それぞれの栄養素について説明します。
【カルシウム】骨の材料
カルシウムは人体に最も多く含まれているミネラルです。カルシウムは人の体の中に含まれるミネラルで、骨や歯を形成しています。ほとんどがリン酸カルシウムとして骨や歯のエナメル質に含まれているのです。カルシウムは、成人の体の中に約1㎏含まれています。
そのため、特に成長期時代にカルシウムが不足すると骨が十分に成長しない可能性があります。カルシウムが不足すると骨の密度が小さくなる骨粗しょう症を引き起こす可能性があります。体づくりをしていくために意識して摂り入れたい栄養素です。
カルシウムは牛乳やチーズといった乳製品に含まれています。しかし、カルシウムだけを積極的に摂取しても背が伸びるわけではありません。カルシウムの吸収をよくするためには、リンやマグネシウムといったミネラルを同時に摂取し、吸収率をアップさせる必要があります。
カルシウムが成長期に欠かせない理由
成長期は骨の成長が活発になり、身長が一気に伸びます。身長が伸びるということは骨が大きくなることです、骨量が増えるため、この時期の骨の成長はとても重要です。
成長期にしっかり骨を丈夫にしておけば、加齢とともに問題になる骨粗しょう症の予防にもなります。
カルシウムの働きは、丈夫な骨を作るだけでなく筋肉を整えたり神経を安定させたりもします。したがって、子どもを体だけでなく心も健康に育てるには、日常的なカルシウムの摂取が大切なのです。
日本の子どもはカルシウム不足?
日本人は基本的にカルシウム不足と言われています。昔に比べると食生活は豊かになりましたが、カルシウムは不足気味です。
それは、日本の国土が火山灰地でカルシウムの含有量が少なく、飲み水や野菜に含まれるカルシウム量が少ないことが関係しています。
カルシウムが多く含まれる食品
ここからは、カルシウムが多く含まれる食品を紹介します。毎回の食事で意識的に摂らなければカルシウムは十分に摂取できませんので参考にしてください。
乳製品
カルシウムと聞くと乳製品を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ただ、意外に乳製品のなかのカルシウム量はそれほど多くありません。
それでも、飲み物でカルシウムを摂取できるのは魅力です。文部科学省の食品成分データベースによると牛乳のなかには、100mlあたり110mgのカルシウムが含まれています。牛乳が子どもに与える良い影響、悪い影響を最新論文から説明した記事はこちらです。
しかし、これらの食品を日々の食事で摂取するのは現実的ではありません。特に乳製品は、子どもの脂質過多を招く可能性があり、アレルギーを抱える場合は特に摂取が難しいでしょう。
手軽に栄養を摂取するためにも、サプリメントを活用することをおすすめします。栄養素をバランス良く摂取することは大切ですが、全てを食品から摂取するのは困難です。
食材で補えない栄養素はサプリメントを活用して、効率よく摂取しましょう。ちなみに、豆乳に含まれるカルシウムは30~60mgなので、なんと牛乳は豆乳の約4~7倍ものカルシウムを含みます。
カルシウムの摂取であれば他の食材やサプリメントを活用した方がよさそうです。もちろん、イソフラボン、サポニン・レシチンなど豊富に含まれる豆乳が優れた食材であることには変わりません。
魚介類
カルシウムを摂取するなら魚介類がおすすめです。なかでも、文部科学省の食品成分データベースによると干しエビは100gあたり7,100mgものカルシウムが含まれています。家庭の炒め物で通常加える10gほどで大人の1日分の摂取量を満たすほどです。お浸しや炒め物にプラスすることで手軽にカルシウム摂取量を増やせます。
調味料・香辛料
意外にも、調味料や香辛料類のなかにもカルシウムは含まれています。文部科学省の食品成分データベースによるとバジル(粉)で100gあたり2,800mg、ベーキングパウダーで100gあたり2,400mgです。さまざまな味付けで飽きることなく摂取できます。
芋類・豆類
和食でもよく使用される芋類、豆類でもカルシウムは摂取できます。例えば、文部科学省の食品成分データベースによるとこんにゃく(しらたき)なら100gあたり75mg、大豆(水煮缶詰め)なら100gあたり100mgとかなり大きな含有量です。
ヨーグルト
ヨーグルトは牛乳から作られているため、カルシウムを多く含んでいます。牛乳200mlに含まれるカルシウムは220mgなのに対し、文部科学省の食品成分データベースによるとプレーンヨーグルト100gにもカルシウムは140mg含まれています。
牛乳が嫌いでもヨーグルトは好きで食べられるという子どもは多いようです。作る過程で発酵しているため、乳糖不耐症の人のお腹をゴロゴロさせる原因の乳糖は分解されて含まれていません。
ただし、牛乳アレルギーの方のほとんどはヨーグルトでもアレルギー症状が発症しますのでお気を付けください。毎日ヨーグルトを食べることで、カルシウムの1日摂取量に近づくことが出来ます。
チーズ
ヨーグルトと同じく、チーズも牛乳から出来ているためカルシウムを多く含みます。文部科学省の食品成分データベースによると100gのプロセスチーズのカルシウム量は630mgです。
一般的な6個入りのチーズ1つ(18g)に、113mgのカルシウムが含まれています。
また、チーズも作る過程で発酵しているため、乳糖が分解されており、乳糖不耐症の人でもお腹を壊す可能性が低い食べものです。ただし、牛乳アレルギーの方の多くはチーズでもアレルギー症状が発症しますのでお気を付けください。チーズはカルシウム含有量が高い点でもおすすめです。
納豆
大豆製品である納豆にもカルシウムが多く含まれています。文部科学省の食品成分データベースによると納豆100gのカルシウム量は91mgです。
市販されている標準サイズである納豆1パック50gには45mgのカルシウムが含まれます。
また、納豆はカルシウムだけでなく、タンパク質も多く含んでいます。優秀な食材なので成長期の子どもにおすすめする食べ物の一つです。
同じ大豆製品の飲み物として豆乳がありますが、無調整豆乳はカルシウム含有量が少ないので牛乳の代わりにするのは難しいでしょう。
青汁
青汁に含まれるケールにもカルシウムが100gあたり1200mg(文部科学省食品成分データベース)と大量に含まれています。ケールの青汁は独特の香りや味で飲みにくいと言われていますが、最近では青臭さを抑えた飲みやすい商品も少なくありません。
飲み物で手軽にカルシウムを摂取したい子どもにおすすめでしょう。
好みに合わせて好きなものを選んでみてください。牛乳をストレートでは飲めないお子さんは、青汁の牛乳割りもおすすめです。また粉末なのでパンケーキやお菓子に混ぜてもいいですね。
ココア
実はココアにもカルシウムが含まれています。ココア100gあたりのカルシウム含有量は140mg(文部科学省食品成分データベース)です。
ココアは甘くて飲みやすく、子どもにも人気な飲み物です。牛乳嫌いな子どもでもココアと割れば飲めるという子もいますよね。
ココアと牛乳を一緒に摂ることで、より多くのカルシウムを摂れます。「ココアと一緒なら牛乳を飲める」というお子さんは、お湯ではなく温めた牛乳で割って飲むのもおすすめです。
カルシウムと摂るべき栄養素
成長期に健康で丈夫な骨を作るには、カルシウムだけを摂取すればいいわけではありません。カルシウムの他に以下をバランスよく摂り入れることが大切です。
- ビタミンD
- ビタミンK2
- ペプチドたんぱく質
この3つの栄養素が体内で吸収され骨に沈着させることで骨は成長していきます。カルシウムやビタミンD、ビタミンK2を効率よく摂取しようとすると、かなり食生活に気を付けなければなりません。
ビタミンD
カルシウムはビタミンDと一緒に摂ることで、身体に吸収されやすくなります。カルシウムは腸の中の腸管という場所で吸収されます。ビタミンDは腸管での吸収を助けてくれるのです。
ビタミンDは、骨の健康を保つのに必要です。腸からのカルシウムとリンの吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を高めて石灰化を進めます。
また、食事からだけでなく日光を浴びるだけで体内合成もできるので比較的摂取しやすいのも特徴です。しかし、ビタミンDが不足すると、子どもの成長を妨げる原因になる可能性もあるのです。
そのため、カルシウムはビタミンDと一緒に摂るとより効率的でしょう。
ビタミンK2
ビタミンK2は、微生物によって作られ、骨を強化するための働きを持ちます。骨を形成する際に必要となる「オステオカルシン」というたんぱく質にも関係があります。
ペプチドたんぱく質
ペプチドたんぱく質とカルシウムを一緒に摂取すると、カルシウムだけの場合よりも骨の成長速度が高まることが分かっています。
例えば、ボーンペップは、卵黄から発見された骨の成長を助けるペプチドたんぱく質として話題です。カルシウムと一緒に摂取すると、骨の成長を促し、骨密度を高めるため強い骨をつくることが期待できます。
子どもにもおすすめのペプチド入りサプリメントをこちらの記事で比較していますのでご覧ください。
おやつを活用してカルシウムを摂取
1日の食事量があまり多くない子どもには、おやつにカルシウム入りのものを選ぶと効率的に摂取できます。スナック菓子よりも、チーズやヨーグルトといった乳製品や小魚、それに牛乳をプラスしてみると取り入れやすいです。
1日3食の食事で必要な量のカルシウムを確保することが難しい場合は、補食(おやつ)が重要です。栄養補助食品なら、カルシウム以外にもバランスよく栄養素が含まれている場合が多いため、理想的に栄養バランスが整います。成長期に必要な栄養素が含まれているサプリなどがおすすめです。
カルシウム吸収を阻害する添加物を摂らない
子どもが大好きなスナック菓子を始めとするお菓子やソーセージ、ジュースなどには注意しましょう。リン酸塩という添加物を含む商品が多いです。
カルシウムを効率よく摂るためにも、添加物が多い食品は避けたいですね。また、市販のお菓子や加工食品には大量の塩や砂糖が使われており、成長期の子どもにとってあまり良いとは言えません。
カルシウムは尿から排出されます。塩分の多いものを食べると喉が渇くため大量の水分を摂り、トイレに行く回数が増えた経験がある人は多いですよね。
効率的に摂りたい人はカルシウムサプリで摂取
食べ物や飲み物からもカルシウムは摂取出来ますが、より効率的に摂りたい人にはカルシウムを多く含んだサプリの摂取がおすすめです。
カルシウム摂り過ぎはある?
カルシウムばかりに目を向けてしまうと、カルシウムの過剰摂取が気になる人もいるかもしれません。しかし、厚生労働省国民健康・栄養調査では、日本人の食事はもともとカルシウム不足の傾向があります。
今の日本人の食生活をみても、1日の摂取量が超えるようなことはほとんどありません。吸収率が良いとされている牛乳でもカルシウムは約40%しか吸収されません。摂り過ぎを心配するよりも、サプリなどでカルシウムを補うことを必要な人がほとんどです。
牛乳が嫌いな子はどうする?
牛乳の味がどうしても好きじゃないという子どももいます。牛乳は、水やお茶とは違う独特の香りや味がします。中には、砂糖をたっぷり入れると牛乳でも飲めるというお子さんも多いようです。
牛乳アレルギーの人はどうする?
牛乳アレルギーの多くは、牛乳タンパクの中のカゼインやβラクトグロブリンなどのタンパク質が原因です。牛乳を摂取すると、腹痛・下痢・じんましん・呼吸困難・アナフィラキシー反応などが起こります。
カゼインは耐熱性があり、加熱してもアレルギーの起こしやすさは変わりません。ヨーグルトやチーズなどの加工食でも、カゼインの成分は分解されにくいため注意が必要です。
牛乳アレルギーの子どもは牛乳以外でカルシウムを摂る必要があります。
乳糖不耐症の人はどうする?
乳糖不耐症は、牛乳の中の乳糖(ラクトース)を消化する酵素ラクターゼが体内に足りないことを指します。
特に日本人は遺伝的にラクターゼが少なく、乳糖不耐症の人が多いと言われています。牛乳を飲んでお腹がゴロゴロした経験がある人は、もしかすると乳糖不耐症かもしれません。
個人差はありますが、「少しならいいけど大量に飲むとお腹を壊す」という人や「温かいものはいいけど冷たいと身体に合わない」という人もいるなど症状は人によりさまざまです。
また、ごくまれではありますが、生まれた時からラクターゼを持っていない先天性乳糖不耐症と呼ばれる病気の子どももいます。そのような子どもは牛乳を全く飲めないので、牛乳以外でカルシウムを摂るべきでしょう。
豆乳のカルシウム含有量は?
豆乳を使った製品には以下の4種類があります。同じ豆乳でも、それぞれカルシウム含有量は異なります。それぞれの違いは大豆の含まれる量です。
- 無調整豆乳:原料に大豆以外は含まない豆乳
- 調整豆乳:砂糖や植物油脂、塩などを入れて飲みやすくした豆乳
- 豆乳飲料:果汁などで味を付けた調整豆乳
- カルシウム入り豆乳飲料:カルシウムを加えた豆乳飲料
それぞれのカルシウム含有量は以下の通りです。なお、含有量は目安であり製品により多少異なります。
製品 | カルシウム含有量 (100g当たり) |
大豆固形分を含む量 |
---|---|---|
無調整豆乳 |
15mg |
8%以上 |
調整豆乳 |
31mg |
6%以上 |
豆乳飲料 |
20mg |
4%以上もしくは果汁入りなら大豆固形分2%以上 |
カルシウム入り豆乳飲料 |
120mg |
|
牛乳(参考) |
110mg |
グラス1杯分(200ml)の豆乳におけるカルシウム含有量は約30~60mgです。カルシウム入れて強化した豆乳飲料を除き、豆乳に含まれるカルシウムの量は基本的に少ないことがわかります。
豆乳だけで十分のカルシウムを摂ろうと思うとグラス15~30杯も必要なので、現実的ではありません。また、1種類の食べ物や飲み物からカルシウムを摂取するのは体に良いとは言えないでしょう。
豆乳で十分なカルシウムを摂ることは難しいですが、カルシウム入り豆乳飲料であればグラス1杯当たりの含有量は240mgと多くなっています。ですが、豆乳飲料には砂糖なども多く含まれるので成長期の子どもにはあまり多くの摂取はおすすめできません。
【マグネシウム】骨だけでなく体温・血圧の調整
マグネシウムは私たちの身体を支える重要なミネラルで、主に骨や筋肉の機能を支えています。マグネシウムは骨を作ったり、体温・血圧の調整など様々なところで必要になる栄養素です。
骨だけでなく、神経や筋肉などあらゆるところに含まれています。50〜60%は骨に、20%が筋肉に存在しています。体内に20〜30gほどあるマグネシウムは、骨や筋肉・脳・血液・神経・肝臓の機能に関与しており、成長に不可欠です。
不足すると高血圧や筋肉のけいれんが起こる可能性があります。マグネシウムを摂取することでカルシウムの吸収率が高くなるので、積極的に摂取して骨を強くしていきましょう。
しかし、マグネシウムは体の中で作ることができないため、摂取する必要があります。主にひじき、ほうれん草、アーモンドなどに含まれています。
成長期にマグネシウムを摂取することが、体全体が健全に成長する上で重要になっています。
マグネシウムが不足するとどうなる?
マグネシウムが不足すると、以下のような影響や不調が出る可能性があります。
- 発育不全
- 骨の形成に影響が出る
- 筋肉がけいれんする
- 食欲が出ない
- 疲れやだるさが取れない
- 下痢や便秘
- 頭痛
- 眠れない
- 注意力の低下
マグネシウム不足は子どもの成長に欠かせないため、普段からマグネシウムを摂ることが重要です。マグネシウムを摂りすぎた場合には下痢や吐き気が見られることがあります。
日本人はマグネシウムが足りていない?
現代の日本人は、マグネシウムが足りていない傾向にあります。食の欧米化により、マグネシウムを多く含む食材の摂取が減ったり、高カロリー・高脂質の食事が多くなったりしていることが原因と考えられているのです。
厚生労働省の調査によると、子どもが1日に摂取しているマグネシウムの量は以下のようになっています。
年齢 歳 |
マグネシウム平均摂取量 mg/日 |
|
---|---|---|
男の子 | 女の子 | |
1-6 | 158 | 143 |
7-14 | 236 | 214 |
15-19 | 239 | 213 |
次に、同じく厚生労働省が推奨しているマグネシウムの摂取量を見ていきましょう。
年齢 | マグネシウム摂取推奨量 mg/日 |
|
---|---|---|
男の子 | 女の子 | |
1-2 | 70 | 70 |
3-5 | 100 | 100 |
6-7 | 130 | 130 |
8-9 | 170 | 160 |
10-1 | 210 | 220 |
12-14 | 290 | 290 |
15-17 | 360 | 310 |
18-29 | 340 | 270 |
幼児期から11歳くらいまでは十分な量を摂取していることがわかります。しかし、男女ともに12歳ごろから摂取している量が推奨量を下回るようになります。
12歳ごろと言えば、いわゆる成長スパート段階にあり、体が急激に大きくなる時期です。この重要な時期に、骨の材料となるマグネシウムの摂取は欠かせません。
マグネシウムで骨や歯の成長や強化
マグネシウムは、骨や歯を成長させ強化する効果があります。骨や歯に多く含まれているマグネシウムは、カルシウムと密接な関係があるのです。
骨や歯の主な成分は、カルシウムであることはほとんどの方がご存じでしょう。しかし、カルシウムが骨の必要なところに行き届き、骨を丈夫にするにはマグネシウムが欠かせません。
すると、骨の中のマグネシウムが不足した状態となり、カルシウムが行き届かない状態になります。そうなると、いくらカルシウムを多く摂取していても骨の成長は期待できません。このため、骨の成長や強化にはマグネシウムとカルシウムの量が重要なのです。
骨の成長を促すために、カルシウムとマグネシウムを2:1の割合でコンスタントに摂取するのが理想的とされています。比較的摂取しやすいカルシウムだけを摂取しても、必要なマグネシウムが不足してしまうため、理想的な比率で摂取することが重要です。マグネシウムとカルシウムを日頃から摂取するようにしましょう。
マグネシウムで脳の働きや精神を安定させる
マグネシウムには、神経の働きを正常にし、神経の興奮を抑えてイライラを沈める効果があります。また、気持ちを落ち着けリラックスさせる脳内ホルモンであるセロトニンやGABAを作る際にも重要な補酵素的役割をします。
不安、うつ、不眠、多動などを鎮めて、精神を安定させる効果があるのです。
ストレスは、神経の働きに影響を及ぼすだけではなく、身長を伸ばすために重要な成長ホルモンの分泌を少なくしてしまうのです。成長ホルモンは身長を伸ばす上でとても重要となります。
ストレスは身長を伸ばす上で大敵となるため、マグネシウムを欠かさず摂取しましょう。
マグネシウムで酵素の活性化
マグネシウムには、酵素を活性化する効果もあります。酵素は体内に300種類以上あり、消化や体を動かすさいに必要なエネルギーを生産するために必要なものです。マグネシウムは、これらの酵素を活性化する役割を持っています。
マグネシウムで高血圧・心疾患の予防
マグネシウムには、高血圧や心疾患を予防する効果があります。血管を広げて血圧を下げる効果や筋肉の緊張を緩めて動きをスムーズにする作用があり、高血圧や心疾患の予防に繋がるのです。
マグネシウムを豊富に含む食材と摂取方法
マグネシウムは体内で作られないため摂取が必要です。マグネシウムを豊富に含む食材と摂取方法を紹介します。まずは、マグネシウムを多く含む食材から見ていきましょう。
順位 | 食品名 | 成分量100gあたりの成分量 |
---|---|---|
1 | あおさ | 3200 |
2 | 青のり | 1400 |
3 | てんぐさ | 1100 |
4 | わかめ | 1100 |
5 | ひとえぐさ | 880 |
6 | 米 | 850 |
7 | バジル | 760 |
8 | ふのり | 730 |
9 | 刻みこんぶ | 720 |
10 | ながこんぶ/まつも | 700 |
文部科学省開発の食品成分データベースのデータを加工
あおさや青のり、昆布などの海藻類はマグネシウムを多く含んでいます。しかし、子どもに海藻類を毎日食べさせるのはなかなか大変ですよね。
そこで、下記のマグネシウムを比較的に多く含んで、摂取しやすい大豆類・ナッツ類・バナナ・魚の食材を組み合わせて食べるのがおすすめです。
【植物性食品】
食品名 | 1食あたりの平均的な重量(g) | マグネシウムの量(mg) | |
---|---|---|---|
1食あたり | 100gあたり | ||
がんもどき | 100 | 98 | 98 |
絹ごし豆腐 | 150 | 75 | 50 |
そば(ゆで) | 200 | 54 | 27 |
生揚げ | 75 | 41 | 55 |
アーモンド(フライ味付け) | 15 | 41 | 270 |
スパゲッティ(ゆで) | 200 | 40 | 20 |
カシューナッツ(フライ味付け) | 15 | 36 | 240 |
ほうれん草 (ゆで) | 80 | 32 | 40 |
バナナ | 100 | 32 | 32 |
落花生(いり) | 15 | 30 | 200 |
データ引用元:日本食品標準成分表2020年版 (八訂)
【動物性食品】
食品名 | 1食あたりの重量(g) | マグネシウム(mg) | |
---|---|---|---|
1食あたり | 100gあたり | ||
うまづらはぎ | 70 | 61 | 87 |
ほたてがい | 100 | 59 | 59 |
きんめだい | 70 | 51 | 73 |
かつお (生) | 80 | 34 | 42 |
くろまぐろ(赤身) ※別名 本まぐろ |
70 | 32 | 45 |
ブラックタイガー(生) | 90 | 32 | 36 |
さば缶詰(味付け) | 90 | 32 | 35 |
するめいか | 60 | 28 | 46 |
さば缶詰(みそ煮) | 90 | 26 | 29 |
牛ヒレ(焼き) | 100 | 28 | 28 |
データ引用元:日本食品標準成分表2020年版 (八訂)
好き嫌いがあったり、毎日メニューを考えて食事を作ったりするのは大変ですよね。食事でマグネシウムが足りない場合には、サプリで摂取すると簡単で便利ですので検討してみましょう。
【たんぱく質 】骨・筋肉の発達促進
たんぱく質は特に筋肉の発達に必要になります。他にも髪の毛や爪の成長にも必要な栄養です。子どもの成長に必要な栄養素というと、カルシウムがよく挙げられますが、たんぱく質も骨の成長には欠かせません。
たんぱく質は筋肉や内臓、血液といった体を作る主成分の一つでもあるため欠かせない栄養です。
人体の20パーセントはたんぱく質でできています。たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成されています。そして、20種類あるアミノ酸が一つでも欠けるとたんぱく質を合成できません。
また、アミノ酸は体内で作り出すことができないため、食べる物から摂取するしかないのです。しかし、体内で壊れやすい栄養素なので成長期には継続して摂取しましょう。
たんぱく質が不足すると、免疫力の低下や風邪を引きやすくなる可能性があるので注意です。日々の食事の中でバランスよくたんぱく質を摂取していけるようにメニューを考えましょう。
たんぱく質は肉・魚・卵・大豆などに多く含まれる栄養素です。
成長の大敵ストレス対策にもたんぱく質が必要
成長期に感じやすいストレス対策にも、たんぱく質が深く関わっています。それは、たんぱく質が材料となり神経伝達物質が作られているからです。
成長ホルモンとたんぱく質の関係
成長期に多く分泌されるようになる成長ホルモンや甲状腺ホルモンも、たんぱく質を作るのにとても重要です。
したがって、ホルモンバランスを正常に保って、たんぱく質を十分に作り出し続けることが成長期には重要なのです。
子どもはどのくらいのたんぱく質が必要?
成長期の子どもにはどのくらいのたんぱく質が必要なのでしょうか。実は、性別、年齢、スポーツを日常的にするかによって必要なたんぱく質の量は異なります。
日本人の食事摂取基準(2020版)によると、以下のたんぱく質量が日々必要です。
年齢 |
男の子 |
スポーツをする男の子 |
女の子 |
スポーツをする女の子 |
---|---|---|---|---|
6~7歳 |
49~75g |
55~85g |
46~70g |
52~80g |
8~9歳 |
69~93g |
67~103g |
55~85g |
62~95g |
10~11歳 |
72~110g |
80~123g |
68~105g |
76~118g |
12~14歳 |
85~130g |
94~145g |
78~120g |
86~113g |
15~17歳 |
91~140g |
102~158g |
75~115g |
83~128g |
スポーツをしている子どもは、たんぱく質の消費量が多いので、必要な摂取量は増加します。子どもは体重比で考えると、大人より多くのたんぱく質を必要とするのです。
たんぱく質を補うためには何を食べればいい?
たんぱく質を効率よく摂取するには、たんぱく質を多く含む食品を積極的に摂るのが理想的です。たんぱく質を多く含む食品は下記の表をご覧ください。
食品名 |
成分量(100gあたりg) |
---|---|
煮干し |
80.0 |
鰹節 |
77.1 |
するめ |
69.2 |
ビーフジャーキー |
54.8 |
パルメザンチーズ |
44.0 |
文部科学省開発の食品成分データベースのデータを加工
これらを調理して食べるとすると、他の食材も加わり少しカロリーが気になるという人もいるかもしれません。また、バランスよくさまざまな食材を揃えるのが難しいときもあります。
そのようなときには、サプリを活用して不足している成分を補うのがおすすめです。
アミノ酸スコアが高い食品摂取が重要?
食材 | アミノ酸スコア |
---|---|
豚肉(ロース) | 100 |
あじ(生) | 100 |
牛肉 | 100 |
鶏肉 | 100 |
いわし(生) | 100 |
鮭(生) | 100 |
マグロ(生) | 100 |
鶏卵 | 100 |
牛乳 | 100 |
大豆 | 100 |
じゃがいも | 73 |
精白米 | 61 |
食品の中に必須アミノ酸がどれくらい含まれているかをスコア化したものが「アミノ酸スコア」です。アミノ酸スコアが高い食品の代表は豚肉や卵などです。
たんぱく質を構成しているアミノ酸は20種類あります。そのうち体内で作ることができないアミノ酸が9種類あり、これを「必須アミノ酸」と言います。
9種類の必須アミノ酸のすべてがバランスよく含まれている食品は、アミノ酸スコアが高くなります。必須アミノ酸8種類を多く含んでいても、残り1種類の含有量が少なければ結局材料が不足してたんぱく質は作れません。
数値が100に近いほど体の中で有効活用されるため、良質なたんぱく質になります。
アミノ酸スコアが低い食品でも、食品を組み合わせることにより、不足したアミノ酸を補い合えます。
おやつでのたんぱく質摂取がおすすめ
たんぱく質は、おやつを活用しても摂取可能です。成長期のお子さんは、学校から帰ってくるとお腹を空かせておやつを食べることが多いのではないでしょうか。
たんぱく質を多く含むおやつを紹介しますので参考にしてください。
- カステラ
- ヨーグルト
- 小魚アーモンド
- ピザトースト(チーズ)
- ホットケーキ
カステラやホットケーキなどは、食べ過ぎるとカロリーの取り過ぎになる場合があるので注意が必要です。カロリーが高めなおやつは運動後などにおすすめです。また、最近ではプロテイン入りのクッキーやバーなども多くあります。
【ビタミンD】骨の成長
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促進する働きがあります。ビタミンDが不足すると、骨の成長がうまくいきません。肉や魚に多く含まれる栄養素です。
特にかつお、イワシといった魚や卵、牛乳などに含まれる栄養素で、その他にはきのこ類に多く含まれています。
そのため炒め物や揚げ物にするとより摂取しやすくなります。骨を強くするためにはカルシウムだけでなく、ビタミンDも一緒に摂取していきましょう。
【ビタミンK】血液凝固機能がある
ビタミンKは血液を凝固する栄養素であり、ほうれん草などの緑葉色野菜や納豆に含まれます。
そのため体が作られる10代のうちに積極的に取っておきたい栄養素です。成人であってもビタミンKが不足すると、慢性的な栄養失調、内出血や骨粗しょう症になる恐れがあります。
熱に強く、油に溶けやすいという性質が特徴です。ビタミンDと同様に炒め物や揚げ物にすると効率よく摂取できるでしょう。納豆などの発酵食品にも多く含まれており、骨を整える栄養素となっております。
【鉄】運動機能と学習機能の向上
適切な量の鉄分を摂取すると脳にしっかりと酸素がいきわたるようになり、運動機能と学習能力の向上が期待できます。
鉄分が不足すると、体が重い、息がきれる、また貧血などの症状が起きやすくなると言われています。鉄はほうれん草やレバー、魚介類や海藻類に多く含まれます。
特に成長期の女の子は不足しやすい栄養分なので、積極的に摂っていきましょう。
鉄分は貧血予防にも効果
鉄分は体中に酸素を届ける役割を持つ赤血球の主な成分です。最近は貧血気味の子どもも増えてきています。豆乳には、貧血予防によい鉄分が豊富に含まれています。
そのため、貧血気味の子どもには豆乳がおすすめです。
豆乳は飲みすぎに注意
豆乳は大豆イソフラボンを含み、これは女性ホルモンのエストロゲンとよく似ていると言われています。その影響は女性だけでなく、男性でも乳房が大きくなったり精巣の機能が低下するなどの恐れがあると言われています。
また、全ての食べものに言えることですが飲みすぎると肥満の原因となります。豆乳は食物繊維を豊富に含むので、人によっては下痢をすることもあります。
人によっては豆乳によりアレルギーが出る場合もあるので注意が必要です。
牛乳と割って飲むと匂いが抑えられる
豆乳はその独特な香りから苦手な子どももいますよね。特に無調整豆乳は、何も味がついていないため飲みにくさを感じる人も多いです。
調整豆乳や豆乳飲料は飲みやすいですが、砂糖や植物油脂などが入っているため成長期の子どもにはあまりおすすめできません。
牛乳や豆乳嫌いの子どもでも、何かと割れば飲めるという人はぜひ試してみてください。
【HMB】筋肉の合成促進作用・分解抑制作用
HMBは必須アミノ酸のロイシンから体内で生成される栄養素で、筋肉の製造に欠かせません。筋肉の合成促進と分解抑制の機能があります。
正式名称はβ-Hydroxy-β-MethylButyrate(ベータ・ヒドロキシ・ベータ・メチル酪酸)といいます。あまり聞きなじみがない成分かもしれません。しかし、ボディビルダーやアスリート向けのサプリでは定番の栄養素です。
ナマズ、グレープフルーツなどに多く含まれています。筋肉をつけたい成長期の子どもも積極的に摂取したい成分です。
【ボーンペップ】骨密度の増大
ボーンペップとは卵黄に含まれるペプチドです。骨(bone)のペプチド(peptide)でボーンペップです。
ボーンペップは、卵黄から発見された骨の成長を助けるペプチドたんぱく質です。鶏の卵は、温めると21日でヒヨコになって孵化(ふか)し、生まれたらすぐに歩き出します。
そこで卵の中には骨を作り出す成分があるのでは、ということに着目し研究が始まりました。そしてついに、卵黄に含まれるペプチドが骨の成長を促していることが分かったのです。
ペプチドとは、アミノ酸が一本の鎖状につながった集合体でたんぱく質の材料となります。ボーンペップも、カルシウムやマグネシウム同様に骨の成長を促進してくれる栄養素です。カルシウムと一緒に摂取することにより、以下の効果があることが分かっています。
- 骨の成長を促進する
- 骨密度を大きくする
成長期の方やスポーツをするお子様にぜひ摂り入れてほしい栄養素です。比較的最近注目されてきた栄養素で、多くの成長サプリメントに配合されています。
ボーンペップの効果
ボーンペップには以下の3つの効果があることが分かっています。
- 骨の伸長をサポートする効果
- 骨密度を高める効果
- 丈夫な骨をつくる効果
ボーンペップには、カルシウムと一緒に摂取すると骨の成長を促す効果が確認されています。また、ボーンペップは、骨を壊す細胞を減らすことで骨の密度を維持し、骨密度を高める効果があります。
ボーンペップとその他栄養素の関係性
ボーンペップとカルシウムを一緒に摂取すると、カルシウムだけを摂取した場合よりも骨が成長する速度が高まることが分かっています。
カルシウムと一緒に摂取すると、骨の成長を促し、骨密度を高めるため強い骨をつくることが期待できます。ボーンペップは他の栄養素との相互関係により効果をより発揮すると言えます。
骨が成長する仕組み
子どもが成長期を迎えると、骨が長く太く丈夫に成長していき身長が伸びていきます。骨は、骨の軸となる骨幹と骨と骨の間の軟骨部分からできています。
骨が長く成長するときは、一つ一つの軟骨細胞が作られ、その軟骨成分が骨に変化していきます。このように骨の成長には規則正しい順序があるため、骨の太さは一定に保たれるのです。
骨の成長は18歳〜25歳くらいで止まります。
ボーンペップの効果を証明する論文
骨の成長に必要なボーンペップの効果はさまざまな実験で論文としても発表されています。特に成長スピードが速い、若い月齢の動物で効果がはっきりと表れることが確認されています。
以下は、2015年に日本大学の研究チームから発表された「卵黄加水分解物(骨ペプチド)強化食品の去勢手術犬の骨代謝に及ぼす影響」の結果です。
5〜8ヶ月齢の去勢手術犬の骨代謝に及ぼす鶏卵加水分解物(ボーンペプチド)の影響を検討した。
臨床試験期間中、ボーンペプチド強化フードを摂取した犬では、血清BAPが高値であった。
去勢手術後2ヶ月の血清BAPはボーンペプチド濃縮食を与えた犬で非ボーンペプチド濃縮食を与えた犬より統計学的に有意に高かった。
このことから、ボーンペプチドは去勢手術直後の骨形成を促進することが示唆された。(翻訳:編集部)
去勢手術後の幼犬にボーンペップを与えたところ、骨の形成が促進された研究結果となっています。また、株式会社ファーマフーズが2011年に発表した論文「卵黄由来ペプチドの経口投与による女性の骨量に対する抗骨粗鬆症効果」があります。
更年期の女性対象に行われた実験でボーンペプチドが骨の健全化に寄与することが報告されています。
骨形成マーカー値は各群で同様の変化を示したが、卵黄由来ペプチド製剤群の骨吸収マーカー値は3、6 ヶ月後に他の群に比べ有意に減少した(P < 0.05)。
6 ヶ月後の骨吸収マーカー値は、卵黄由来ペプチド製剤群では健康な数値を維持していたが、他の群では BMD 値が低下していた。
卵黄由来ペプチド製剤は、特に女性の骨の健康を維持するための自然食品由来の抗骨粗鬆症剤であると考えられる。(翻訳:編集部)
ボーンペプチドに、骨を健全に保つための重要な働きをする能力があることが示唆されています。
ボーンペップはこんな子どもにおすすめ
ボーンペップは、成長期のお子さんにはおすすめの栄養素です。特に下記のようなお子さんには積極的に摂取して頂きたいと思います。
- 両親が低身長なので子どもの身長が伸びるか心配な方
- お子さんがスポーツをしているので骨を丈夫にしたいと思っている方
- 成長期に少しでも骨太に成長させたい方
以上のようなお悩みを持つ方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
ボーンペップには、骨を丈夫にするだけでなく骨密度を高める効果もあります。子どもの頃に丈夫な骨に成長させていれば、将来骨粗しょう症になることも防げますよ。
ボーンペップに副作用はある?
ボーンペップは、卵黄から生まれる成分のため副作用はありません。自然にある食べ物ですので体の中に入っても害になることはないからです。
また、熱や酸にも強い成分なので安心して摂取できます。
心配な方は、病院などで確認してから摂取するようにしましょう。
ボーンペップはどうやって摂取すればいいの?
ボーンペップは卵黄から生まれる成分ですが、闇雲に卵黄を食べればいいというわけではありません。
また、卵を適切に保存や調理をしていなければ、サルモネラ菌食中毒にかかる危険もあります。そのため、ボーンペップを摂取するにはサプリなどで効率よく摂取することがおすすめです。
成長ホルモンの分泌を助ける6つの栄養素
成長ホルモンは下垂体から分泌されるホルモンで、成長期の始まりを告げ、10代後半から分泌が減少します。子どもが成長するうえで以下の働きをする重要なホルモンです。
- 骨や筋肉の成長促進
- 性的な成熟を促す
- 免疫機能
- 代謝機能
免疫機能や代謝機能などの調整は、成人になってからも不可欠な重要ホルモンです。
成長ホルモンの分泌を助けてくれる重要な成分は以下です。
- 【アルギニン】疲労回復・成長ホルモンの分泌促進
- 【シトルリン】運動機能と新陳代謝の向上
- 【オルニチン】体を作る成長ホルモンの分泌を促進
- 【α-GPC】記憶力を高める成長ホルモンの分泌促進
- 【亜鉛】体作りを促す成長ホルモンの分泌
- 【ビタミンB6】メラトニン製造に必要
それぞれの成分について説明します。
【アルギニン】疲労回復・成長ホルモンの分泌促進
アルギニンとは、たんぱく質の素になっているアミノ酸の1つです。アルギニンは睡眠に必要なメラトニンや成長ホルモンの分泌を促してくれます。
成長にある子どもの筋肉を作り、免疫力を向上させるのに必要な成分です。人の体は約20%がたんぱく質でできており、たんぱく質は20種類のアミノ酸で作られます。
20種類あるアミノ酸のなかで、アルギニンは病気への抵抗力を高めたり、身体の傷を早く治す効果があります。そのほか脂肪の代謝を促進し、筋肉を増強させる効果もあるので、成長期の子供だけでなく、大人も摂り入れたい栄養素です。
アルギニンは体内でも合成されるアミノ酸で、非必須アミノ酸とも呼ばれます。「非必須」と聞くと大して重要な成分に思えないかもしれません。しかし、実は中学生・高校生年代の体作りにはとても重要な栄養素です。
アルギニンには成長ホルモンを促進させる効果
アルギニンには成長ホルモンの合成を促進させる働きがあります。成長ホルモンは体内の骨や糖質や水分、ミネラルなどの代謝を促進させる重要な物質です。
身長を伸ばすためには、中学生・高校生の時期に成長ホルモンの分泌を活発に保つ必要があります。その成長ホルモンの働きを促進して、骨の成長を刺激するのがアルギニンなのです。
そのため、多くの人気成長サプリにアルギニンが配合されています。
成長期の中学生・高校生はアルギニンが不足しがち?
成人であればアルギニンを体内で十分に作り出すことができますが、乳幼児や成長期の子供は体内で十分に作れません。もともとアルギニンは体内で合成できる量が少ないアミノ酸です。
成長期の中学生や高校生は、身長を伸ばすのに十分なアルギニンを常に確保するために、食事やサプリメントを使って外から補充するとよいでしょう。たくさんある国内の成長サプリを完全網羅した比較一覧はこちらをご覧ください。
1日にどれくらいの量のアルギニンが必要か?
アルギニンが効果的に働くには、1日に2000mg~4000mgの摂取が必要だと言われています。アルギニンが多く含まれている主な食べ物は以下です。
食品成分 100g |
エネルギー kcal |
脂質 g |
アルギニン mg |
---|---|---|---|
小麦胚芽 | 391 | 11.6 | 2800 |
そらまめ | 323 | 2 | 2400 |
湯葉乾 | 485 | 32.1 | 4300 |
黄大豆 | 429 | 21.6 | 3000 |
きな粉 | 424 | 22.8 | 3000 |
油揚げ油抜き | 361 | 32.2 | 2100 |
アーモンド/乾 | 609 | 51.8 | 2200 |
えごま/乾 | 523 | 43.4 | 2300 |
くるみ/いり | 713 | 68.8 | 2300 |
ごま/乾 | 604 | 53.8 | 2900 |
らっかせい/大粒種/乾 | 572 | 47 | 3300 |
アーモンド/いり/無塩 | 608 | 54.1 | 2300 |
うるめいわし/丸干し | 219 | 5.1 | 2600 |
しらす干し/半乾燥品 | 187 | 3.5 | 2500 |
たたみいわし | 348 | 5.6 | 4600 |
かつお節 | 332 | 2.9 | 4400 |
さば節 | 330 | 5.1 | 4300 |
すきみだら | 165 | 0.3 | 2600 |
干しだら | 299 | 0.8 | 4500 |
かずのこ/乾 | 358 | 13.6 | 4600 |
ほたてがい/貝柱 | 301 | 1.4 | 5300 |
いせえび/生 | 86 | 0.4 | 2200 |
くるまえび/ゆで | 116 | 0.5 | 2700 |
するめ | 304 | 4.3 | 4500 |
ビーフジャーキー | 304 | 7.8 | 3500 |
若どりもも皮つき/焼き | 220 | 13.9 | 2100 |
若どりささみ/焼き | 132 | 1.4 | 2100 |
牛もも/皮下脂肪なし/ゆで | 204 | 11 | 2100 |
豚ヒレ/赤肉/焼き | 202 | 5.9 | 2500 |
若どりむね/皮なし/焼き | 177 | 3.3 | 2600 |
鶏卵(乾燥換算) | 542 | 42 | 3100 |
文部科学省開発の食品成分データベースのデータを加工
上記一覧を見てわかるように、アルギニンは高カロリー・高脂質の食品に多く含まれていることが多いです。
アルギニンで背は伸びるの?
単にアルギニンを摂取する「だけ」で身長が伸びることは期待できません。
アルギニンが成長期の身長を伸ばすのに効果的という話題は多くの人が知るところとなってきました。それにつれて、アルギニンを摂りさえすれば身長が伸びるという思い込みや、成長サプリはアルギニンの量が多いほどいい、といった偏った情報が広がっているようです。
確かに、身長を伸ばすには成長ホルモンとアルギニンが深く関わっています。しかし、サプリメントでアルギニンを摂り入れる場合の伸長への効果性についてはまだまだ研究途上です。
成長サプリをアルギニン量で選ぶのは効果的?
アルギニン「だけ」を売りにしているサプリメントは、残念ながら信頼性は低いできないかもしれません。日本国内では、日本小児内分泌学会が以下のような見解を発表しています。
アルギニンはたしかに成長ホルモン分泌刺激試験の薬として用いられています。
しかし、分泌刺激試験で用いる場合は、体重1kgあたり0.5gという量を30分間で直接血管内に点滴で投与します。
たとえば体重30kgの子どもであれば15gを投与するわけです。
略
一方、現在サプリメントとして販売されているアルギニン製剤は、多くの場合に200mg~2gの錠剤で、内服薬です。
略
全部がそのまま吸収されないことや代謝などを考えると、血中のアルギニン濃度はわずかな上昇に留まるのではないかと考えられます。
従って、サプリメントの服用で成長ホルモンの分泌が促進するとは考えられません。「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解(2013年3月29日公表)|日本小児内分泌学会
つまり、サプリメントの服用だけで成長ホルモンの分泌が促進する可能性は低いということです。この見解を無視して「アルギニンがX000mg含まれているので背が伸びる!」と宣伝されているサプリメントは残念ながら信頼性は低いと言えるでしょう。
アルギニンだけ摂取してもアミノ酸は働いてくれない
体作りに欠かせないアミノ酸は、20種類のうち一番少ない量のアミノ酸の分しか働かないという特徴があります。つまり、1種類のアミノ酸だけを多く摂取しても、他のアミノ酸がバランス良く摂れていないと十分に働けません。
最近はアルギニンだけでなく、直接成長ホルモンをスプレーするといった成長関連商品も多くなってきました。成長ホルモンスプレーや、成長サプリメントで本当に背が伸びるのか?以下の記事で詳しく説明しています。
アルギニンの副作用の心配
適量の摂取であれば、基本的にアルギニンは分解されて体外に排出されますので副作用の心配はありません。しかし、子どもの健康状態や成長ステージによっては過剰摂取したことで副作用が出る可能性があります。
報告されている副作用は、胃腸障害による腹痛・下痢・嘔吐などです。早く効果を実感したいがために、各商品で推奨されている摂取量以上に摂り入れたくなるかもしれません。しかし、過剰に摂取してしまうと副作用が出てしまう可能性があります。各商品で明示されている推奨摂取量を絶対に守りましょう。
【シトルリン】運動機能と新陳代謝の向上
シトルリンはスイカから発見されたアミノ酸で、成長ホルモンの促進が期待できます。
また血管の拡張作用があり、冷え症や新陳代謝の向上作用が挙げられます。またメラトニンと作用して、質の良い睡眠や美肌効果などがあります。
血液改善の働きがありますので、成長ホルモンとの分泌促進作用との相乗効果も期待できるでしょう。そのため、睡眠を大切にしたい成長期の子どもはぜひ摂りたい成分です。
睡眠と成長ホルモンの関係、質の高い成長ホルモンを分泌する方法については以下の記事で詳しく説明しています。
【オルニチン】体を作る成長ホルモンの分泌を促進
オルニチンとは、人間の体内に備わっているアミノ酸の1種です。ホルモン物質の成長に関与しているため、大人に限らず、成長期の子どもにとっても欠かせない栄養素となっています。
一般的なアミノ酸は、たんぱく質の中に存在します。しかし、オルニチンはたんぱく質から独立した状態で存在する特殊な構造をしている「遊離アミノ酸」に分類されます。
オルニチンは、血液に溶け込んで人間の体内を循環します。「2日酔いにはしじみの味噌汁を摂ると良い」と耳にするように、オルニチンは主に肝臓で重要な役割を担っています。
オルニチンを摂取することで、筋肉、骨、脂肪燃焼に作用する成長ホルモンを分泌する働きがあります。
またオルニチンを日常的に摂取することで疲労感の改善、睡眠の質の向上ができます。睡眠のリズムと成長ホルモンの関係、睡眠中に成長ホルモンを多く分泌する方法については以下の記事で詳しく説明しています。
オルニチンはえのきやしじみ、チーズといった食品に多く含まれる栄養素となります。ストレスを抱えると寝つきが悪くなりがちな子どもにぜひ摂取してほしい成分です。
オルニチンと成長ホルモンの関係
オルニチンは、「成長ホルモン」と「オルニチンサイクル」の機能に深く関わっています。オルニチンを摂取することで、睡眠中の成長ホルモン分泌が増加する効果が示唆されています。
そして、成長ホルモンが働くのが肝臓です。2011年の日本小児内分泌学会においても、以下のような発表が記載されております。
成長ホルモンは、肝臓に働いてIGF-I(インスリン様成長因子-Ⅰ、別名ソマトメジンC)と呼ばれる成長因子を作らせて血液中に放出させます。
つまり、オルニチンによって増加した成長ホルモンは、肝臓に運ばれることで成長因子を体内に巡らせる働きをしています。そして、肝臓で主役となって働いているのもオルニチンです。
肝臓でのオルニチンサイクルとは?
オルニチンサイクルは肝臓機能の1つで、尿素回路とも呼ばれます。体にとって有害なアンモニアを解毒して尿素に変換する回路です。
肝臓に取り込まれたアンモニアは、オルニチンがトリガーとなって発動する複雑なプロセスによって最終的に尿素とオルニチンに分解されます。尿素は体外に排出され、オルニチンは再び肝臓でオルニチンサイクルの初めに戻って働くのです。
この一連の流れを「オルニチンサイクル」と呼びます。
オルニチン・アルギニン・シトルリンの関係
オルニチンは、同じアミノ酸である「アルギニン」「シトルリン」の効果を高める役割があります。アルギニンとオルニチンを同時に摂取することで、以下の効果が確認されています。
- 成長ホルモンの分泌促進
- 筋肉の増加と強化
- 除脂肪体重の増加
シトルリンは肝臓のオルニチンサイクルの成分であり、「血行の改善」や「抗酸化作用」「疲労回復」などの効果があります。また、アルギニンとシトルリンを同時に摂取することで、血液中のアルギニン濃度が上昇し、運動パフォーマンスを向上させる効果が期待できます。
また、オルニチンサイクルのプロセスにおいても、アンモニアがオルニチンによってシトルリンに変換された後、アルギニンに変化し、最終的に尿素に分解されます。
オルニチンは成長ホルモンの分泌を促進
オルニチンは、成長ホルモンの分泌の促進であり、特に睡眠中の成長ホルモン濃度が高まる効果が期待されています。成長ホルモンは、たんぱく質の合成を促進する効果があり、筋肉の発達に欠かせない特徴があります。
また、脂質・ミネラルの代謝を促進する働きもして、脂肪燃焼や骨の形成を促す効果が期待されています。しかし成長ホルモンの分泌量は、10代後半を境に減少する特徴があります。
オルニチンで睡眠と目覚めの改善
オルニチンは、睡眠と目覚めの質を改善する効果が報告されています。ストレスホルモンの分泌が抑制され、良質な睡眠に繋げる効果が期待されています。
睡眠が取れないことで、ストレスが溜まりやすくなる傾向があります。ストレスが強いことで眠れないといった症状にも繋がっています。つまり、睡眠とストレスには密接な関係があるといえます。
オルニチンで疲労改善
オルニチンは、身体の疲れを取り除く効果があります。筋肉の疲労だけでなく、臓器の使い過ぎによる疲労も含まれます。子どもの消化器はまだ成長途上です。
ですから、摂取した食材が正常に消化されないと胃もたれや食欲不振といった不調を引き起こします。
オルニチンで肝機能の改善
オルニチンの効果として、肝機能の改善が挙げられます。オルニチンは有害なアンモニアを効率よく分解するために肝臓で働きます。
アンモニアは老廃物の1種です。食事で摂り入れた肉や魚などのたんぱく質から、体内でエネルギーを取り出す際に大量に発生します。
アンモニアが体内で多く発生することで、全身に疲労を生じやすくなるのです。このアンモニアを分解する臓器が肝臓です。肝臓でのオルニチンサイクルによって、アンモニアは無害な「尿素」に分解されます。
オルニチンを摂取することで、アンモニアがスムーズに分解され、身体にかかる負担も軽減されます。多くの主要な臓器とつながる肝臓に毒素を溜めないためにも、オルニチンの摂取が大切です。
オルニチンが豊富な食材は?
オルニチンを豊富に含んだ食材として、以下の5種類が挙げられます。
食材 |
オルニチン含有量(100gあたり) |
100g摂取するための目安 |
---|---|---|
しじみ |
10.7〜15.3mg |
35個 |
ヒラメ |
0.6〜4.2mg |
1切れ |
キハダマグロ |
1.9〜7.1mg |
刺身7〜10切れ |
チーズ |
0.8〜8.5mg |
スライスチーズ5枚 |
えのき |
14.0mg |
約1.2袋 |
上記の表から、オルニチンを最も多く含む食材は「しじみ」です。しかし、これらの食材を毎日の食事から摂取することは現実的ではありません。
しじみの砂抜きやヒラメ、キハダマグロを捌いて調理することを考えると、手間も費用かかってしまいます。手軽に栄養を摂取するためにも、サプリメントを活用することをおすすめします。
栄養素は、バランス良く摂取することが大切ですが、全てを食材から摂取することは困難です。特に成長期の子どもにとっては、これらの食材を中心とした食事はカロリー過多を招く可能性があるでしょう。
食材で補えない栄養素はサプリメントを活用して、効率よく摂取してみてください。
オルニチンの安全性・副作用は?
オルニチンはしじみなどの自然食品にも含まれており、以前から日本人にはなじみ深い食材です。 また、アメリカではサプリメントとして以前から市販されています。しかし、過剰な摂取や誤ったタイミングの摂取は、身体への負担を発症することに繋がり、逆に悪影響を与える危険があります。
「健康のために、とにかくたくさん摂ろう!」と考える必要はありません。サプリメントからの摂取であれば定められた摂取量を守りましょう。
オルニチンの効果についての研究論文:オルニチン摂取後に成長ホルモン分泌上昇
2006年にアメリカヒューストン大学で発表された論文では、男女ボディビルダー12人がオルニチンを摂取した後に成長ホルモンの値を測定しました。以下のように、オルニチン摂取後に成長ホルモンの分泌量が上昇することが報告されています。
血清成長ホルモンの平均値はオルニチン摂取により上昇する傾向があったが、170mg-kg-1の投与量では投与後90分で初めて有意に上昇した(p<0.05)。
この結果は、オルニチンの経口摂取は吸収され、全身血中濃度は摂取量の直接的な関数として上昇することを示している。引用:Ornithine ingestion and growth hormone release in bodybuilders ボディビルダーにおけるオルニチンの摂取と成長ホルモンの分泌量
訳文:編集部
オルニチンの効果についての研究論文:オルニチンで睡眠の質向上
2014年にキリンビール株式会社がNutrition Journalに発表した論文では、オルニチンと睡眠の質に関する無作為化比較試験が行われました。オルニチンを摂取した人と、プラセボ(偽薬)を摂取した人でストレスと睡眠にどんな差があるかを調べた試験です。オルニチンにより、ストレスが軽減され、睡眠の質が向上したことが明らかになりました。
血清コルチゾール値およびコルチゾール/DHEA-S比は、プラセボ群に比べ、L-オルニチン群で有意に減少した。
また、L-オルニチン群では、怒りが軽減され、睡眠の質が改善されたと認識された。
コルチゾールは、ストレスホルモンとも呼ばれ、体やメンタルがストレスを感じると分泌されます。
オルニチンの効果についての研究論文:オルニチンで疲労軽減
2008年に株式会社 総合医科学研究所が発表した論文では、オルニチンが身体的疲労に与える影響について二重盲検比較試験が行われました。以下のように、オルニチンが尿素サイクル(オルニチンサイクル)によって疲労感を軽減することが報告されています。
L-オルニチンの経口投与は、血清トリアシルグリセロール、ケトン体、遊離脂肪酸、血中アンモニア濃度の変化から脂質代謝を促進し、尿素サイクルを活性化することを見出した。
(略)
これらの結果から、L-オルニチンはエネルギー消費効率を高め、アンモニアの排泄を促進することで抗疲労効果を発揮することが示唆された。
(略)
肉体疲労時の栄養補給として、L-オルニチンの摂取を勧める。
肉体疲労時の栄養補給として、オルニチンを通常の食事からだけでなく、サプリで摂取することも勧められています。
【α-GPC】記憶力を高める成長ホルモンの分泌促進
α-GPC(アルファGPC)とは、大豆レシチンから得られる「グリセロホスホコリン」という成分です。成長ホルモンの分泌促進に効果があります。
大豆レシチンから得られ、正式な学名は「snーグリセロホスホコリン」と呼ばれます。大豆レシチンは大豆に含まれているリン脂質です。最近多くの成長サプリに配合されているのでご存じの方も多いでしょう。
α-GPCに期待できる主な効果は以下のとおりです。
- 成長ホルモンの分泌促進
- 老化抑制
- 認知機能の改善
α-GPCに期待できる主な効果は以下のとおりです。
- 成長ホルモンの分泌促進
- 老化抑制
- 認知機能の改善
効率よく肝臓に取り込まれるため、脳への到達速度もとても早いと考えられています。
コリンとは?α-GPCとの関係
α-GPCは水溶性のビタミン様栄養素コリンを少ない量で効率よく補給できる特徴があります。人間の体の中に存在しており、健康や若さを維持するために重要な役割を担っています。
食べ物からコリンを摂取するなら、卵や肉、魚、大豆や穀類がおすすめです。
海外ではコリンを補給するため、医薬品やサプリメントでよく使用されています。とくに、イタリアや韓国などでは脳機能障害などの医薬品として使用されます。
アメリカやドイツなどではサプリメントとして、一般的に使用されています。日本でも2010年2月の法改正とともに新たな食品成分として認められました。
コリンが不足すると起こる症状
コリンは、健康や若さを保つために必要不可欠な栄養素です。コリンが不足するとさまざまな機能の低下に繋がることがわかっています。
たとえば、肝機能低下やだるさ、貧血などが起こりやすくなると言われています。さらに、コリンは体内で代謝に関わるビタミンB12や葉酸、メチオニンにも関連しています。
それで、免疫能低下や消化管機能異常などにも影響するようです。
コリンが不足すると体の健康維持に影響するため、意識的に摂取したい成分です。健康や若さを保つために欠かせません。
α-GPCの子どもへの効果
α-GPCはコリンの補給剤として最適な成分と言われていることのほかにも、骨の成長を助ける効果が期待されています。今までは高齢者の認知症の改善が大きな特徴と知られていました。
最近では子どもにも効果的な成分でもあることが分かってきています。例えば、学習能向上やストレスホルモン分泌抑制なども魅力的な効果です。
骨が成長する仕組み
α-GPCには成長ホルモンの分泌を促す働きがあることが、論文からも明らかになっています。成長ホルモンは、成長期に骨が成長するためにとても重要な役割を持っています。
成長ホルモンは血液に混ざり全身をめぐり、骨や筋肉、肝臓などに作用して成長促進因子というホルモンをつくります。すると、成長促進因子の働きにより、骨の先端の軟骨細胞が骨へと成長するのです。
また、身長の伸びが停止する成長期が終わった後も、体全体の各器官や組織を再生し維持する働きをします。分泌されるホルモンの量は成長期後期にピークに達し、その後は少なくなります。それでも、分泌が止まることはありません。
α-GPCの効果を証明する論文
α-GPCは成長ホルモンの分泌を増加させることができます。また、α-GPCは成長ホルモンを増加させるアセチルコリンの前駆体とも言われており、論文としても発表されています。
例えば、2012年に立命館大学で行われた実験「グリセロホスホコリンは若年成人における成長ホルモン分泌および脂肪酸化を促進」があります。この実験では、健康な男性8名にGPC1000mgまたはプラセボ(偽薬)を摂取させる精度の高い試験が行われました。
その結果、GPC投与後60分および120分において、血漿遊離コリン濃度が有意に上昇した。
血漿成長ホルモン分泌量はGPC服用60分後に有意に増加した
若年成人において、α-GPCを摂取することで成長ホルモンの分泌および肝脂肪酸化を増加させることがわかりました。また、それに伴ってコリンレベルも増加することも示唆しています。
ほかにも、ミシガン大学でアメフト選手を対象に様々なコリンベースの多成分サプリメントとプラセボ(偽薬)を摂取させる精度の高い試験論文「コリン系多成分サプリメントによる疲労性課題時の爆発的筋力の向上」があります。
トルクの発生率とインパルスは、疲労性収縮の間中、対照セッションと比較して補助セッションで高かった(それぞれ、p = 0.018, p < 0.001)。コリンベースの多成分サプリメントは、疲労の発生を遅らせることにより、爆発的な筋力を向上させることができる。
(翻訳 編集部)
コリンに疲労回復効果があることが報告されています。
α-GPCに副作用はある?
α-GPCは自然由来の成分で母乳にも含まれています。日本だけでなく、海外でも多く使用されており安全性は非常に高いです。
アメリカでは、粉ミルクにも含まれるほど安心して摂取できる成分です。したがって、成長期のお子さんが摂取しても問題はありません。
α-GPCが含まれる食品
α-GPCは多くの食品に含まれているため、比較的摂取しやすい成分です。しかし、残念ながら、含まれる量は以下のようにどの食品も非常にわずかです。
- 生卵:100g中0.6mg
- 大豆(乾燥):100g中2.9mg
- 豚肩肉(赤身・生):100g中11mg
- 鶏レバー(生):100g中16mg
アメリカでは、1日あたりの適正摂取量が以下のように定められています。
- 男性 550mg
- 女性 425mg
アメリカの適正摂取量を例にあげると、普段の食事からはなかなか1日の適正摂取量に届きません。
α-GPCは摂り入れる時間で効果が変わる?
α-GPCは、摂取後30分から1時間後に成長ホルモンの分泌を調整していることが研究でわかっています。α-GPCを「成長ホルモンの分泌スイッチをオンにする役割」として使うには、500~600mg程度の摂取が必要だと考えられています。
同時に成長ホルモンの分泌が最大になるのは、睡眠後30分であることもわかっています。時間帯で言えば、午後10時から午前2時の前半の深いノンレム睡眠の段階で分泌量がピークになるとされています。
【亜鉛】体作りを促す成長ホルモンの分泌
亜鉛はテストステロンやドーパミンなどのホルモン分泌を促進してくれます。亜鉛は様々な身体の機能を維持していくために必須のミネラルで、成長ホルモンの産生、DNAの複製やたんぱく質合成にも大きく関わっている栄養素です。
不足すると、味覚障害や低身長などを引き起こす可能性があります。亜鉛はホウレンソウや牡蠣といった食材に多く含まれています。
亜鉛は骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓など、身体中いろいろなところに存在しています。味覚に大きく影響を与えるといわれ、亜鉛が不足すると免疫力が低下し、風邪をひきやすくなります。コロナウイルスなどの感染症対策などにも効果があると言われており注目を浴びています。
多くの人が亜鉛不足になる理由
食事で亜鉛は十分取れていると思う方もいるかもしれません。しかし、東北大学 駒井三千夫教授による「日本人における亜鉛摂取量 の現状と摂取基準」では、日本人の多くが慢性的な亜鉛不足にあることが論じられています。
一般成人で摂取量が少ない傾向にあるほかに,とくに日本の子どもと老人,若い女性で亜鉛が不足している状況にあると考えられる
日本人は、先進国で唯一10~30%が亜鉛欠乏状態にあると報告されています。多くの人が亜鉛不足になりがちな理由は以下です。
- 亜鉛は体内で作ることができない。
- 身体に貯めることができない
- 激しいスポーツをして亜鉛の排出量が増えてしまう
亜鉛で子供の身長は伸びる?
亜鉛は成長ホルモンの産生、たんぱく質合成にも大きく関わっているので成長期の骨の成長にも深くかかわります。2017年にタイのシーナカリンウィロート大学が、亜鉛と身長の伸びについて実験結果を発表しました。
9歳前後の子ども140人について、亜鉛サプリメントの摂取によって以下のように身長の伸びに差が出ました。
- 亜鉛を摂取していないグループ(偽薬)→平均+4.7センチ
- 亜鉛サプリメントを摂取しているグループ→平均+5.6センチ
半年で約1センチはかなり大きい差です。
結論として、亜鉛の補給は健康な学齢児童の成長(身長)が有害事象を見出すことなく改善した。
亜鉛の補給は,亜鉛欠乏の常在地域の学齢児童の発育阻害を改善・軽減するための日常的な戦略として考慮されるべきである(編集部翻訳)
ただし、タイは国民の40%以上がもともと亜鉛欠乏症と推定されています。ですから、この実験に参加した子どもたちに明確な既往症はありませんでしたが、もともと亜鉛が不足気味であった可能性はあります。
熊本市立病院小児科での研究でも、亜鉛の補給は亜鉛欠乏症の低身長小児の成長を誘発するのに効果的と結論付けられています。どちらにしても、亜鉛が成長期にある子どもの身長に深く関係することは明白でしょう。
亜鉛に摂り過ぎはある?
亜鉛を摂りすぎると逆効果になってしまう可能性もあります。亜鉛を摂りすぎてしまうと、以下のような問題が起きてしまいます。
- 急性亜鉛中毒
- 鉄分吸収を阻害して貧血
- 免疫力低下による体調不良
- 神経症状
- 下痢
亜鉛の摂取量を守ることが大事です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成長期における亜鉛の推奨摂取量は以下です。
年齢 |
男の子 |
女の子 mg/日 |
---|---|---|
1~2(歳) | 3 | 3 |
3~5(歳) | 4 | 3 |
6~7(歳) | 5 | 4 |
8~9(歳) | 6 | 5 |
10~11(歳) | 7 | 6 |
12~14(歳) | 10 | 8 |
15~17(歳) | 12 | 8 |
18~29(歳) | 11 | 8 |
基本的に、牡蠣や豚レバーを1日に大量摂取しなければ亜鉛の過剰摂取になることはまずありません。ただ、サプリメントの形で亜鉛を大量摂取してしまうと過剰摂取の危険もあるので注意が必要です。
亜鉛が多く含まれている食材
まず、食事でしっかりと摂ることが重要になってきます。亜鉛が多く含まれている食材は以下の通りです。数字は100gあたりの含有量です。
- 牡蠣養殖(生):14.0mg
- 豚レバー(生):6.9mg
- 牛肩ロース赤身肉(乳用肥育牛生):5.7mg
- 卵(生卵黄):3.6mg
- アーモンド(乾):3.6mg
- 牛もも赤身肉(乳用肥育牛生):5.1mg
- 牛レバー:3.8mg
- 帆立貝:2.7mg
- バターピーナッツ:3.1mg
- 豚ヒレ肉(生):2.7mg
- 納豆:1.9mg
比較的子どもでも食べやすい食材がそろっています。しかし食事からの亜鉛の吸収率はおよそ30%と言われ、あまり高くありません。
動物性たんぱく質と一緒に摂取する
亜鉛はたんぱく質と一緒に摂取した方が、吸収率が良くなります。たんぱく質の中でも植物性ではなくて、動物性のたんぱく質の方がいいでしょう。
クエン酸と一緒に摂取する
クエン酸も亜鉛の吸収率を上げてくれます。クエン酸と亜鉛を一緒に摂ることで亜鉛を体内に吸収しやすいものにしてくれます。
ビタミンCと一緒に摂取する
ビタミンには、水溶性と脂溶性がありビタミンCは水溶性のビタミンです。水溶性なので加熱した料理だとビタミンが壊れてしまう可能性があります。
なるべく加熱せずに摂れるビタミンCにしましょう。
加工食品には注意
加工食品の中には亜鉛の吸収率を下げてしまう添加物がたくさん入っています。添加物は、亜鉛を体外に排出してしまうといわれるので注意が必要です。
親が忙しい時にはコンビニ弁当やインスタント食品を活用することもあると思います。
【ビタミンB6】メラトニン製造に必要
ビタミンB6は、良質な睡眠を創り出すメラトニンというホルモンを作る働きがあります。ですから、成長期のお子様の成長に欠かせません。
不足すると口内炎、舌炎、末梢神経炎などが起こる可能性があります。ビタミンB6は、マグロ、豚肉、バナナ、レバーなどに多く含まれる栄養素です。
ビタミンB6は加工すると栄養素が減少します。ですから、できるだけ生の状態で食べることがおすすめです。と言っても、豚肉やレバーは必ず加熱調理をして食べましょう。
また食べるときはビタミンB2と一緒に取ることで吸収効率が上がります。
ストレスを軽減する4つの栄養素
ストレスは成長ホルモンの分泌、よい睡眠を阻害するので、できるだけストレスを軽減する必要があります。ストレスを軽減できる以下の栄養成分を紹介していきます。
それぞれの栄養素について説明します。
【PS(ホスファチジルセリン)】ストレス軽減と脳機能改善
PS(ホスファチジルセリン)は脳機能改善が期待できる成分です。またストレスの軽減ができる成分でもあります。
最近多くの成長サプリにも配合されるようになっています。医療の現場ではアルツハイマー病の治療にも使われています。
アルツハイマー症を発症している患者に一日300mgを投与したところ、脳機能の向上効果が現れたとの報告があります。脳機能改善効果があるため、記憶力を上げ、日々の勉強を効率的に進めたい方にぜひおすすめしたい成分です。
大豆に微量に含まれていますが、サプリでの摂取が効率的です。
【バコパモニエラ】ストレスの軽減
バコパモニエラとはゴマノハ科の北アフリカ、アジア、南北アメリカ原産のハーブでストレスを軽減できる成分を含みます。ADHD患者や小児の子どもたちの記憶力などの認知機能の向上や、不安を和らげることの結果が分かりました。
バコパモニエラは古代インドでも使われており、最近日本でもサプリとして販売されています。ストレス対策で進んでいる欧米で人気が出ているハーブです。
成人向けの精神安定サプリに以前から配合されていましたが、最近は子ども用のサプリにも多く配合されています。副作用が少なく、使いやすいことからも摂取する人が増えています。
【DHA・EPA】ストレス解消と記憶力の向上
DHA・EPAは青魚に含まれているオメガ3脂肪酸の一つとして有名な定番サプリ成分です。ストレス解消や記憶力の向上などが期待されています。
DHA・EPAが多く含まれる食材としてはイワシ、鯖といった魚で、缶詰や生の魚で摂取できます。DHA・EPAはビタミンA、ビタミンCと一緒に摂取するとより効率的に摂取が可能です。
記憶力の向上だけでなく、ストレス解消を促す成長ホルモンの製造の促進も行うので、意識して摂取したい成分です。
【BCAA】運動能力の向上とストレス解消
BCAAは運動機能向上とストレス解消に効果があります。BCAAを摂取することにより、睡眠の質を向上させるメラトニンの製造を促進させます。
ボディビルダーやアスリート向けのサプリメントでは定番の成分です。
運動時に摂取すると、筋肉の製造の促進や持久力の向上などが期待できます。BCAAは必須アミノ酸の1つとされ、食事以外にもサプリで摂取しておきたい成分です。
マグロ、タラ、チーズ、卵などの食材に多く含まれています。睡眠の質を向上させ、ストレスを解消したり、運動中に壊れた筋肉の修復を行うことが可能です。
その他の成長サプリ人気成分3選
その他にも成長サプリとして人気の成分があります。以下の成分が人気となっています。
それでは一つずつ紹介していきましょう。
【オメガ3脂肪酸】脳機能の活性化
オメガ3脂肪酸は脳機能の活性化に必要な成分となっています。代表的なオメガ3脂肪酸は、青魚の油に含まれているDPH、EPA、アマニ油などに含まれているαリノレン酸です。
これらは必須アミノ酸とされ、血流改善やアレルギー抑制など様々な効果が期待できる成分となっています。
不足しやすい栄養素となりますので、積極的に食べ物やサプリでの摂取することが必要です。勉強に打ち込みたい受験生や体作りをしたい10代の子どもにとって見逃せない成分となります。
【ラクトフェリン】免疫力の向上
ラクトフェリンは鉄と結合する性質のあるたんぱく質で、鉄と結合することによって腸内の善玉菌を増やす効果があります。
生まれたての赤ちゃんの腸内環境を整えて赤ちゃんの健康を維持する働きがあります。ラクトフェリンは貧血にも効果があるので、貧血気味の子どもにもオススメです。
胃で分解されてしやすいため、サプリでの摂取が望ましい成分となります。
【モリンガ】腸内環境改善
モリンガは古代インドでも使われており、高い腸内環境を整える効果があります。現地では『生命の木』、『奇跡の木』と呼ばれている植物です。
近年は日本でも栽培される植物になりました。
ストレスや運動不足、野菜不足が原因で体の不調がある方はモリンガを試してみてはいかがでしょうか?モリンガはサプリ、お茶やパウダーで販売されており、手軽に取れるのはサプリとなります。
成長サプリの活用で栄養の偏りを防ぐ
日々の食生活を意識して摂取していくことも大切ですが、どうしても不足してしまう栄養素もあります。また、スポーツをしている子ども、野菜を極端に食べられない子ども、ストレスに弱い子どもなど、通常と異なる栄養を必要とする子どもも少なくありません。
まずは食事での栄養補給を中心にしながらも、必要があれば積極的にサプリで補っていきましょう。